2011年6月5日日曜日

Adolphe Mouron Cassandre








 アドルフ・ムーロン・カッサンドルは、様々なポスター作品などを手がけたフランスのグラフィックデザイナー、舞台芸術家、版画家、タイポグラファーである。
 ウクライナのハリコフでフランス人の両親に生まれ、1915年、フランスのパリに移住する。
1918年、ボザールに短期間在籍し、その後アカデミー・ジュリアンでリュシアン・シモンと知己を得るまでは絵画、とりわけ印象主義を学んでいた。ごく早い段階でバウハウスに興味をもち、徐々にその影響を受けてゆくこととなる。

 1922年に、最初の広告の仕事を世に送る。
カッサンドルは初め、この職は画家として身を立てるまでの食い扶持のために過ぎないと考えており、「絵画はそれ自身で目的になるが、ポスターは売り手と公衆の単なるコミュニケーション手段にすぎない」とはっきり認めていた。

 言うなればこの明瞭で読み取りやすいメッセージへの指向こそが、後に彼のヴィジュアル・コンセプトに建築的・幾何学的構成を導くこととなったものであるといえる。カッサンドルはパブリシティのためのグラフィックデザインに習熟するに連れて徐々にこれに熱中してゆき、これを「(芸術画家が)失った公衆との回路を再発見する」手だてであると考えるようになってゆく。

 1940年代以降は広告関係の仕事をやめ、装飾や舞台、絵画で活動するようになった。
徐々に抑鬱的になったと見られ、一度の未遂の後、1968年6月17日にパリで拳銃自殺した。67歳没。



【作品】
 1920年代から1930年代にかけてキュビズムの影響を受けた多くの作品を生み出した。直線や立体感など幾何学的構成・エアブラシを使った点描的画法により構成される、いわゆるアール・デコを代表するデザイナーである。特にポスターのデザインを多く手がけた。

カッサンドル
②北方急行 (NORD EXPRESS) - 1927年
③DUBO / DUBON / DUBONNET - 1932年
④ノルマンディ号 (NORMANDIE) - 1935年

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