2010年11月21日日曜日

ニコ・ピロスマニ







 19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したグルジアの画家。彼はグルジア鉄道で働いたり、自分の商店を持ったりしたが、体が弱いうえに、人付き合いがうまく行かなかったため長続きしなかった。その後、独学で習得した絵を描くことに専念するようになった。

 彼はプリミティヴィズムあるいは素朴派(ナイーブ・アート)の画家に分類されており、彼の絵の多くは、荒野にたたずむ動物たちや食卓を囲むグルジアの人々を描いたものである。一旦はロシア美術界から注目され名が知られるようになったが、そのプリミティヴな画風ゆえに新聞などから幼稚な絵だという非難を浴びてしまった。失意の彼は貧困のうちに死去したが、死後グルジアでは国民的画家として愛されるようになったほか、ロシアをはじめとした各国でも有名である。ソ連ではその生涯が映画化されている。YouTube - СМЕРТЬ ГЕНИЯ Pirosmani DEATH at HOLY WEEK

 彼の町を訪れたフランス人女優マルガリータと出会った。彼女を深く愛したピロスマニは、その愛を示すために、彼女の泊まるホテルの前の広場を花で埋め尽くしたという。この伝説はアンドレイ・ヴォズネセンスキーの詩によって有名になり、歌となってヒットした。その後、放浪の旅にでたピロスマニは15年後に「女優マルガリータ」を描いた。加藤登紀子の「百万本のバラ」に歌われる貧しい絵描きは、彼をモデルとしたものと言われる。

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