フェルナン・クノップフは、19世紀末のベルギーで活躍した象徴主義画家。63年の生涯のほとんどを独身で過ごし、生涯にわたって6歳年下の妹マルグリットをモデルにした絵を描き続けた。「愛撫」(画像:上)
クノップス作品の画面はどれも極めて静寂だ。画面の中から音が聞こえる気配が全くしない。しかし画面から抒情性を感じさせるわけでもない。そうしたところが死を予感させる。
「私は私自身に扉を閉ざす」(画像:中)棺おけのようなものに肘を突いている女性…これもまた、モデルはクノップフの妹マルグリット。彼の憧れは、内へ内へと逃げ場を求めていたように思える。でも出口のないその渇望は、クノップフの内面に停滞し、蓄積し、永遠の夢の中に閉じ込められてしまったのではないか…。
(写真:下)妹マルグリット
0 件のコメント:
コメントを投稿