Maurice Denisの言葉に「絵画が、軍馬や裸婦や何らかの逸話である以前に、本質的にある秩序で集められた色彩で覆われた平坦な表面であることを、思い起こすべきである」とある。彼の絵画論は後にキュビズム、フォーヴィズム、抽象絵画を支える理論的な支柱となる。画家としては、宗教的な主題を多く描いたことで知られる。
ドニは、最年少ながらナビ派の画家として確固たる地位を確立。日常に典拠を得た親密的で柔和な作品の他、信仰心と精神性を感じさせる宗教画や神話画、挿絵、壁画装飾など様々な作品を制作した。また理論家としても名高く、前述のナビ派を象徴する作品「護符(タリスマン、ポン・タヴェンの愛の森)」の制作者でもあるポール・セリュジエと共に同派の絵画表現理論の中核を担った。敬虔なカトリック教徒であったモーリス・ドニはピエール・ボナールやエドゥアール・ヴュイヤールとは異なり、ジャポニスム(日本趣味)よりも、初期ルネサンス(特にフィレンツェ派のフラ・アンジェリコ)や新古典主義に強い影響を受けるほか、アール・ヌーヴォーとの類似性も指摘されている。
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