2010年11月28日日曜日

フェリックス・ヴァロットン











Félix Edouard Vallotton

 19世紀末頃からフランスで活躍したスイス出身の画家。ナビ派の一員でもある。1890年代後半から単純化された斬新な白黒による木版画や、実験的要素の強い奇抜で幻覚的な構図・展開による油彩画を制作した。その後フランス美術界の中で頭角を現す。特に線的で大胆な木版画は19世紀末の平面芸術(グラフィックアート)界に新たな可能性を示した。また、画家の手がけた油彩画は後の超現実主義(シュルレアリスム)を予感させた。 裸婦や風景画を主な画題としているが、肖像画や静物画でも優れた作品を残している。ヴァロットンの平面的な表現や明確な輪郭線、素朴な様式、奇抜と調和が混在した造形と色面の対比的描写には、画家が感銘を受けていたアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、アンリ・ルソー、フィンセント・ファン・ゴッホらの影響も指摘されている。

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